明石から三ノ宮 [● ひとりごと]
明石から大阪へ向かう車窓
右手に鉛色の雲が低く垂れ込め
海とも空ともわからないその境界を貨物船が行き交う
そんな光景が好きだった
朝霧駅で降りて
神々の淡路島のほのかな街灯りを見ることが好きだった
須磨の海づり公園に連なる防波堤
かもめが羽を休めるためか はねる魚を狙うためか3羽ずつ整然と並んでいた
意味もなくかもめの数を数えていた
海苔の養殖をしていた人の船が転覆し
死体があがらないので保険金が出ないのだと
遠い昔の話が幾何学模様のように頭をよぎる
工業地帯を過ぎると摩耶山が見えてくる
釈迦の母の名の山
視線を右から左へ移すタイミング
イスラムの寺院を眼下に
枯れ葉色の摩耶山を仰ぐのが好きだった
電車の中で眠っている人を見るたびに
ああ・・どの景色を見せてあげたいと
よく思ったものだ
たった20分の間
空の色も山の色も海の色も毎日毎日異なる
とても素敵なことなのに
そんなことをよく思っていた
右手に鉛色の雲が低く垂れ込め
海とも空ともわからないその境界を貨物船が行き交う
そんな光景が好きだった
朝霧駅で降りて
神々の淡路島のほのかな街灯りを見ることが好きだった
須磨の海づり公園に連なる防波堤
かもめが羽を休めるためか はねる魚を狙うためか3羽ずつ整然と並んでいた
意味もなくかもめの数を数えていた
海苔の養殖をしていた人の船が転覆し
死体があがらないので保険金が出ないのだと
遠い昔の話が幾何学模様のように頭をよぎる
工業地帯を過ぎると摩耶山が見えてくる
釈迦の母の名の山
視線を右から左へ移すタイミング
イスラムの寺院を眼下に
枯れ葉色の摩耶山を仰ぐのが好きだった
電車の中で眠っている人を見るたびに
ああ・・どの景色を見せてあげたいと
よく思ったものだ
たった20分の間
空の色も山の色も海の色も毎日毎日異なる
とても素敵なことなのに
そんなことをよく思っていた
タグ:回想
2016-01-11 16:21
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